カプセル内視鏡検査とは

現在、当院ではカプセル内視鏡を行っておりません。
再開の際は、改めてお知らせいたします。

カプセル内視鏡検査とは

消化管より出血があった場合、多くは食道・胃・十二指腸の一部、あるいは大腸に原因があります。
内視鏡検査いわゆる「胃カメラや大腸カメラ」、バリウムによる胃や大腸の検査「胃透視や注腸造影」は比較的簡単に行えるため、出血原因の多くは突き止めることができます。

比較的まれですが、十二指腸より奥の小腸から出血することもあります。
小腸は全長が約6〜7mと長く、全消化管の約3/4を占める体内で最も長い臓器であり、従来の内視鏡や透視など他の検査方法での観察は困難とされていました。
それでも小腸疾患の9割以上は「胃カメラ」が届く範囲の十二指腸にあるため、さらに奥の到達困難な小腸を見る検査は普及しませんでした。

ところがカプセル内視鏡の出現によって、従来の小腸検査では検出されなかった病変が、簡便かつ苦痛無しで観察することができるようになりました。

PillCam®RSBカプセル内視鏡について

世界で初めて開発・実用化された小腸用のカプセル内視鏡です。
70ヵ国以上で100万人以上の検査実績があります。

大きさは、大きめのビタミン剤とほぼ同じサイズです。
口から飲み込んだカプセルが消化管内を通過しながら十二指腸、空腸、回腸からなる小腸全体を撮像し、画像を記録装置に転送します。
この画像を元に小腸の診断が行われます。

カプセル内視鏡検査の流れ

検査前日

消化の良い食事を午後10時までに摂り、その後の飲食はお控えください。
喫煙はカプセルを飲む24時間前からおやめください。

検査当日

  1. アンテナを腹部に貼付し、記録装置をベルトで腰に付けます。
  2. カプセル内視鏡を適量の水で飲み込んでいただきます。その後は職場やご家庭に戻っていただくことができます。
  3. カプセルは、患者さんの消化管内を蠕動運動により移動しながら、1秒間に2コマずつ腸内を撮像します。
  4. 8時間かけて約55,000枚の静止画像を撮り続けます。
  5. およそ8時間後にカプセル内視鏡検査が゙終了します。病院に戻り、アンテナと記録装置を返却していただきます。
  6. カプセルは排便時に体外に排出されます。

検査中の食事制限について

経過時間 食事内容
〜2時間 絶飲食
2時間〜4時間 水分のみ
4時間以降 軽い食事のみ

当院での症例

小腸の動静脈奇形からの出血繰り返す下血と進行する貧血のため来院され、上部消化管及び大腸内視鏡検査を施行しましたが出血源を認めませんでした。
小腸出血を疑いカプセル内視鏡検査を施行したところ上部小腸(空腸)に小さな隆起性病変を認め、出血している様子が観察されました。

手術が必要と考えられ、病変に印をつけるために後日小腸ダブルバ ルーン内視鏡検査を施行しました。
カプセル内視鏡で認めた病変を確認し、近傍に目印のための色素を注入しました。
腹腔鏡補助下に病変を含む空腸部分切除術を施行し、無事退院されました。

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