便潜血検査とは
便潜血検査では、便内に目に見えない微量な血液が含まれていないかを検査します。大腸がんのスクリーニング検査として受けますが、結果が陽性の場合でも大腸がんでない、或いは陰性でも進行性大腸がんを見逃してしまう場合があるのであまり確実性のない検査とされています。
大腸がんについて
大腸がんの患者数は近年増加傾向にあり、がんによる死亡原因で女性は第1位、男性は第3位を占めています。大腸がんは進行してしまうと、腹腔鏡あるいは開腹による外科的手術が必要など心身に負担が大きい治療を要します。日常生活やお仕事に大きな影響を及ぼすため、早期発見・早期治療が大切です。大腸がんは、早期に発見した場合、内視鏡手術によって完治できる疾患です。しかし、初期段階での自覚症状がほとんどないため、発見が遅れてしまうことも少なくありません。
内視鏡検査では、初期の大腸ポリープを発見し、その場で切除できるので将来の大腸がんの予防が可能です。当院では、患者さんの健康や生活の質を守るために、気軽に内視鏡検査を受けられるように負担の少ない内視鏡検査を行っています。最新機器の導入や丁寧な検査、質の高い治療を提供していますので、どうぞお気軽にご相談ください。
大腸がん発見のための検査
便潜血検査
便内に目に見えない程の微量の血液が混ざっていないかを検査します。便潜血検査の結果が陽性の場合は、精密検査として2次検査(内視鏡検査)を受ける必要があります。内視鏡検査は、確定診断が可能です。
大腸カメラ(下部内視鏡検査)
大腸粘膜を直接観察できる大腸内視鏡検査では、早期の大腸がんを発見し、確定診断が可能です。検査中は、疑わしい部分の組織を採取でき、さらに大腸ポリープを発見した場合は、その場で切除することができます。ポリープ切除手術は日帰り手術が可能なものも少なくなく、切除することで将来の大腸がん予防につながります。
便潜血検査で陽性を指摘された方へ
便潜血検査で陽性と指摘された方は、早めに内視鏡検査を受けてください。便潜血検査陽性とは、主に大腸・肛門の消化管のいずれかで出血があるということです。便潜血検査が陽性で、内視鏡検査を受けたあと大腸がんが発見された場合でも、まだ自覚症状がないうちは、比較的楽な治療で完治できます。調査データによると、便潜血検査を受けた1,000人のうち、およそ50人が陽性で、そのうち大腸がんが発見されるのは1~2人です。陽性を指摘されて、内視鏡検査を行って大腸がんが見つかることは稀で、ほとんどが痔などによる出血とされています。便潜血検査の結果をきっかけに、内視鏡検査を受けることをおすすめしています。
便潜血検査陰性の方へ
便潜血検査の結果が陰性の場合でも、必ずしも大腸がんではないというわけではありません。大腸がんによる出血は、大腸がんに便が擦れて出血となりますが、大腸がんがある場所を軟便が通過する場合、表面に出血が起こらないため陰性という結果となります。この場合、大腸がんがかなり大きくなって進行していても陰性と出てしまいます。40歳を超えたら、大腸がんの発症リスクは高まっているので、便潜血検査の結果が陰性の場合でも、念のため内視鏡検査を受けられることをおすすめしています。