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白内障について

[2018.12.19]

白内障は、軽い状態も含めると次のような頻度でなるとの報告があります。

年齢 白内障の比率
40歳代 20%
50歳代 45%
60歳代 65%
70歳代 80%
80歳代 90%

最新の人口統計によれば、日本の人口は約1億2751万人で、40歳以上は約7434万人です。 先ほどの白内障の比率に換算すると、白内障患者数は40歳代353万人、50歳代703万人、 60歳代1199万人、70歳代1091万人、80歳以上804万人になり、約4152万人いるという統計になります。
軽い状態も含めていますので、症状がない人もいますが、40歳以上の半分以上の人が白内障であると言えます。
症状がないひとでも、白内障である可能性が高いのです。

 

白内障であるひとも、なにか治療をしているかと言うと、眼科に受診しない限り何もしてないと思います。
眼科に受診すると、白内障を予防する点眼薬を処方されると思いますが、現在のところ白内障点眼薬は 『白内障早期において若干の進行を抑える』位置付けです。つまり進行してしまった白内障を元通りに治す点眼薬ではありません。
白内障の手術の安全性が高くなった現代では、白内障点眼薬に頼るよりも、ある程度の段階で手術をする方が良いと考えられ、 『そろそろ手術はどうですか』なんて勧められます。
眼の手術というとびっくりするかもしれませんが、大変多くの方が手術を受けております。

 

国内では年間約130万人の方が白内障手術をうけており、先ほどの推定患者数、4152万人からすれば大分少なく感じますが、白内障手術は国内で最も行われている手術の一つと言えます。
なぜここまで普及したかと言うと、20、30年前に比べ、手術の切開創が小さくなり、簡単かつ安全になったからです。

  20-30年前の手術 最近の手術
麻酔 球後麻酔 点眼麻酔
手術時間 60分 10-15分
切開の幅 10-12㎜ 2㎜台
合併症の数 多い 少ない
入院期間 1週間 日帰り または 1泊
日常復帰の目安 2-3週間 1週間

白内障手術は安全ではありますが、100%安全ではありません。
水晶体落下、人工レンズ挿入不可、駆逐性出血、眼内炎(細菌感染)、眼圧上昇、水泡性角膜症、黄斑浮腫、網膜剥離などの合併症をおこすことがあり、その中でも眼内炎は最悪のケースでは失明します。とはいえ、手術合併症は1%程度であり、かなりリスクは低いと言えます。次の難易度の話しにあるとおり、目の状態によっては合併症が10%程度と推測される方もいます。

 

散瞳しにくい方、水晶体の固定が弱い方(落屑症候群の有無)、奥目の方で、白内障の程度が強くなってから手術を行う場合は、 かなり難易度が高くなってしまいます。
独自の考えですが、下記の式で考えると理解しやすいかと思います。

白内障難易度= ( 散瞳の程度+水晶体固定の程度+奥目の程度 )×白内障の固さの程度

4つの項目のすべてが、自分ではわかることができません。 眼科で診察を受ける必要があります。
また上記の式で分かるように、白内障が進行し固くなれば、散瞳が良くても、水晶体の固定が良くても、 奥目でなくてもやや難しくなります。また逆に散瞳などが少し悪くても、水晶体があまり固くなければ通常の手術で済む可能性が高いです。
つまり、白内障があまり進行していない状態であれば、手術の難易度はそんなに高くはならないと言えます。
しかし下記のような方は白内障が進行している可能性があり要注意です。 早めの眼科受診を勧めます。

・70歳後半で眼科受診歴が全くない人
 白内障に左右差なく、徐々に同じ程度に進行した場合は、気づきにくいです
・片目は見えないが不自由ないので眼科を受診しないでいる人

 

また『手術が難しい』以前の問題で、手術を受けたくても受けられない方もいます。

・認知症などで安静が保てない方
 通常は局所麻酔で手術を行いますが、この場合は全身麻酔でないと手術ができません。
 しかし高齢で全身麻酔のリスクが高くければ、結局は手術できないと判断されます

・心疾患や悪性腫瘍などの持病がある方
 手術自体のリスクが高いと判断されてしまうケース

・糖尿病の血糖コントロールが不良の方
 傷の治りが悪かったり、感染症のリスクが高いため、血糖コントロールが良くなってから、手術をします。

大病を患って、白内障手術を受けたくても受けられない、その結果身体も眼も不自由になってしまう、そういう状況を作らないことも大事です。

 

では、白内障手術は早ければ良いかと言うと、そうではありません。 白内障手術は水晶体の代わりに、眼内レンズを使用しますが、所詮人工物です。 本来の水晶体の方と比べると、調節機能はなくなりますし、人工レンズ特有のハローやグレアなどが起こりえます。
つまり手術が全く問題なく終了しても、眼内レンズ自体に適応できない方もいます。ノーリスクではないのです。
よって白内障がある程度進行すると、このままの方が良いのか、それとも手術をした方がよいのかを、年齢や生活状況、先々のことも検討したうえで 手術した方が良いと思ったら手術を勧めます。

 

白内障手術が簡単になった現代においては、大事な事は白内障手術を適切な時期で行うことです。
それによって通常の合併症発生率、つまり1%程度とすることができます。
その適切な時期を相談するためにも、特に70歳以上の方は定期的に眼科に通院することをお勧めします。

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