肛門科について
いぼ痔(痔核)・切れ痔(裂肛)・痔ろう・肛門周囲の腫瘍など、肛門疾患を専門的に診るのが肛門科です。とくに、いぼ痔は日本人の半数が罹患しているとも言われていますが、恥ずかしさや人目が気になることから、なかなか肛門科を受診することはなく、多くの方が症状を悪化させてしまっています。症状を悪化させると、治療を困難にしてしまい、治療における心身の負担が大きくなってしまいます。肛門外科の疾患は、病気が違っても症状が似ていることが多いため、適切な検査と正確な診断が必要です。痔は、早めに医師に診てもらうことで、早期治療が可能になり、短期間で楽な治療を受けやすくなります。当院では、治療における痛みを最小限に抑えて、患者さんの苦痛を最大限に取り除くことを第一に診療を行っています。デリケートな診療ですから、プライバシーにも十分配慮して治療を行っています。まずは、お気軽に当院までご相談ください。
対象疾患
肛門外科診療の対象となる疾患は以下の通りです。
- いぼ痔(内痔核・外痔核)
- 穴痔(痔ろう)
- 切れ痔(裂肛)
- クローン病と肛門疾患
- 肛門尖圭コンジローマ
- 直腸脱
- 直腸瘤
- 肛門周囲炎
- 単純性ヘルペス
- 肛門掻痒症
- 血栓性外痔核
- 肛門周囲腫瘍
- 単純性ヘルペス
- 膿皮症
- 毛巣洞
など
主な症状
肛門の出っ張り・ふくらみ
内痔核(脱肛)・外痔核・見張りいぼ・皮垂・肛門ポリープ・直腸脱・肛門腫瘍などの疾患によって肛門の出っ張りやふくらみが見られます。肛門ポリープは、がん化することはほとんどありませんが、稀に大腸ポリープが脱出している場合があります。大腸ポリープはがん化する恐れがあるので、これらの症状が気になる場合は早めに受診してください。
肛門からの出血
いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)などの疾患で肛門から出血する場合があります。肛門からの出血は、肛門科を受診される方で最も多い症状です。大腸炎や大腸がんのように、早急に治療が必要な疾患が隠れている場合もあるため、肛門からの出血が気になる方は、早めに受診してください。出血原因が大腸疾患によるものが疑われる場合は、大腸カメラ検査での確定診断を行います。
肛門の痛み
切れ痔(裂肛)・肛門ヘルペス・肛門周囲腫瘍・血栓性外痔核などの疾患によって肛門の痛みを訴えることがあります。内痔核でも症状が進行して嵌頓痔核(痔核が脱出し、肛門括約筋に絞められて血流障害となった状態)になり、激痛が伴う場合があります。
肛門のかゆみ
肛門部皮膚炎(湿疹)・白癬症・カンジダ症(カビ感染)・肛門ヘルペス(ウイルス感染)などの疾患で肛門のかゆみが現れます。また、切れ痔(裂肛)や、軽度の肛門周囲腫瘍・血栓性外痔核の場合でも、かゆみを生じることがあります。
便が出にくい・残便感がある
痔核・肛門狭窄・直腸瘤・直腸脱などの疾患によって、便が出にくくなったり、残便感が出たりします。大腸狭窄の場合も同じ症状が出るため、疾患の有無を調べるには大腸カメラ検査などで状態を確認していきます。
肛門科の診療について
肛門科の受診は、プライバシーの問題が大きく恥ずかしさと相談しにくさがあるため、ためらう方が多いのが実情です。また、具体的にどのような診察や治療を行うのかが分からないのが不安要素のようです。当院は、胃腸をはじめ消化管全体を診療しているので、受付で肛門科受診の旨を伝える必要はありません。問診票に記入するのみで、当院スタッフ全員がプライバシーの配慮を十分に行っています。人目を気にすることなく、安心してご来院ください。診療においては、患者さんの心身の負担を可能な限り軽減しながら行っていますので、不安なことがありましたら遠慮なくご相談ください。
肛門診療の流れ
Step.1
受付にて問診票をお渡しします。現在の症状やご相談ごとを記入し、受付に提出してください。
Step.2
診察室にて医師が問診票をもとに診察を行います。個室なのでプライバシーが守られます。疑問や質問がありましたらお気軽にご相談ください。
Step.3
診察台に横になり、大きなタオルを腰に掛けます。必要な分だけ医師がタオルをめくって視診を行うので、下着を少しだけおろしていただきます。ゴム手袋を付けた指で、医療用ゼリーを用いて触診します。筒状の細い肛門鏡も医療用ゼリーを用いるので痛みは少ないことがほとんどです。精密な検査が必要な場合は、患者さんへの説明と同意を得てから実施しています。
Step.4
診察検査結果を患者さんに丁寧にご説明します。診断及び必要な治療方法について説明し、ご理解を得た上で治療方針を決定していきます。